「かわいそう」は誤解かも？犬がクレートを“最高の隠れ家”だと感じる本当の理由|ドッグランウズウズ

「狭い場所に閉じ込めるなんて、かわいそう…」クレートを使うことに、どこか罪悪感を覚えていませんか？その気持ち、とてもよく分かります。
しかし、私たち人間の感覚とは裏腹に、犬にとって「狭くて暗い場所」は、本能的に安心できる特別な空間なのです。
この記事では、犬の祖先であるオオカミの習性を紐解きながら、クレートがなぜ「監獄」ではなく「最高の隠れ家」になり得るのかを解説します。

ワイヤークレートの上にかけられたブランケットが、中に心地よい巣穴のような影を作っている様子。犬の尻尾が安らかに見えている。

Point 01

犬の本能が求める「巣穴（デン）」という安心感

犬の祖先であるオオカミは、外敵から身を守り、安心して休息するために「巣穴（デン）」で生活していました。その習性は、現代の犬たちにも色濃く受け継がれています。
クレートのような、適度に狭く、三方が囲まれた空間は、彼らにとって遺伝子レベルで安心できる場所なのです。
私たちが自宅のソファでくつろぐように、犬も自分だけのパーソナルスペースを求めています。

クレートの柵越しに見える、眠っているフレンチブルドッグの穏やかな顔。クレートの外の世界は美しい光の渦として表現されている。

Point 02

情報が遮断されることによる、脳の休息効果

犬は非常に優れた聴覚や嗅覚を持っているため、常に周囲の様々な情報を受け取っています。人の動き、物音、外の匂い。これらは時として、彼らにとって大きなストレス源になり得ます。
クレートは、こうした過剰な視覚的・聴覚的刺激を適度に遮断し、脳を休ませるための重要な役割を果たします。
特に、来客時や雷の音など、犬が不安を感じやすい状況で、頼れる避難場所となるのです。

大切な家族のために部屋を準備するように、人の両手が優しくおもちゃをクレートの中に入れている様子。

Point 03

「しつけ」ではなく「愛犬を守る」ためのツールとして

クレートを「罰を与える場所」として使ってしまうと、犬はネガティブな印象を抱いてしまいます。これは絶対に避けなければなりません。
クレートは、留守番中の誤飲やいたずら防止、災害時の安全確保、車での移動など、様々な危険から愛犬の命を守るための重要なツールです。
クレートに慣れさせてあげることは、罰ではなく、万が一の事態に備えた愛情深い「しつけ」なのです。