
UZUZ Magazine #349
【シニア犬・療養中の子へ】足元の不安を安心に。犬用靴のメディカルな活用法
年齢を重ね、足元がおぼつかなくなってきた愛犬。怪我をして、足をかばいながら歩く姿。そんな愛しい我が子の姿に、胸を痛めていませんか?
犬用靴は、ファッションや過酷な環境のためだけのものではありません。シニア犬や療養中の犬のQOL(生活の質)を高める、重要なケア用品としての側面があります。この記事では、獣医師の視点も交えながら、犬用靴のメディカルな活用法を掘り下げていきます。

Point 01
滑る床での転倒予防。シニア犬の「踏ん張る力」をサポート
筋力が低下したシニア犬にとって、滑りやすいフローリングの床は大きな負担となります。踏ん張りがきかずに転倒し、関節を痛めたり、骨折につながったりするケースも少なくありません。
底がゴム製の滑り止め加工された靴や靴下は、しっかりと床をグリップし、立ち上がりや歩行を補助します。歩くことへの自信を取り戻すことが、さらなる筋力低下を防ぐことにも繋がるのです。

Point 02
デリケートな肉球を保護。怪我や皮膚トラブルの悪化を防ぐ
足を怪我している時や、アレルギーなどで皮膚炎を起こしている時、犬は患部を気にして舐め続けてしまうことがあります。これにより、傷の治りが遅れたり、症状が悪化したりすることも。
通気性の良い柔らかな素材の靴は、包帯や薬の上から履かせることで、患部を保護するカバーの役割を果たします。地面の細菌や汚れなどの二次感染を防ぐ効果も期待できるでしょう。

Point 03
歩行補助とナックリング対策。リハビリの頼れる相棒として
神経系の病気などにより、足の甲を地面に擦って歩いてしまう「ナックリング」という症状が見られることがあります。これは皮膚を傷つけ、痛みを伴うため、犬にとって大きなストレスです。
つま先部分が補強された専用の靴は、ナックリングによる怪我を防ぎ、正しい足の運びを意識させるリハビリの一環としても使用されます。ただし、こうしたメディカルな使用に際しては、必ずかかりつけの獣医師に相談し、指導のもとで適切な製品を選ぶことが不可欠です。
💡 この記事のまとめ
犬用靴は、シニア期や療養中の愛犬が抱える足元の不安を、具体的な形で「安心」に変えてくれる可能性を秘めています。愛犬の状態をよく観察し、時には専門家の意見も聞きながら、最適なケアの一つとして靴の活用を検討してみてはいかがでしょうか。あなたの一工夫が、愛犬の穏やかな毎日を支える大きな力になります。
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