
UZUZ Magazine #229
敏感肌の愛犬へ。獣医師に聞く、肌トラブルを防ぐウェットティッシュの選び方
愛犬が体を痒がったり、皮膚が赤くなっていたりするのを見ると、自分のことのように心が痛みますよね。特に肌がデリケートな子にとって、毎日使うケア用品選びは慎重にならざるを得ません。
この記事では、皮膚トラブルのリスクを最小限に抑えるための、肌に優しいウェットティッシュの選び方と正しい使い方を、専門的な視点から解説します。

Point 01
1. 「低刺激」の正体を見極める:本当に避けるべき成分とは
「低刺激」「アルコールフリー」といった言葉は安心材料の一つですが、それだけでは不十分です。敏感肌の子にとって刺激となりうる成分は他にも存在します。
例えば、保湿成分として広く使われる「PG(プロピレングリコール)」や、一部の合成香料、着色料は、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。水、天然由来の保湿成分(ヒアルロン酸や植物エキスなど)、そして必要最低限の安全な防腐剤のみで作られた製品が理想的です。

Point 02
2. 拭き方の新常識:「ゴシゴシ」はNG、優しく「置くように」拭く
どんなに優しい成分の製品を選んでも、拭き方が間違っていると肌を傷つけてしまいます。汚れを落とそうとゴシゴシ擦るのは絶対にやめましょう。
摩擦は、健康な肌のバリア機能さえも破壊してしまう可能性があります。正しい拭き方は、汚れた部分にウェットティッシュを数秒間優しく押し当て、汚れを浮かせてから、そっと拭き取るイメージです。ポンポンとスタンプを押すような感覚を大切にしてください。

Point 03
3. 拭きっぱなしにしない:保湿ケアとの合わせ技で最強のバリアを
ウェットティッシュで拭いた後は、水分が蒸発する際に肌の潤いも一緒に奪われがちです。特に乾燥が気になる子や、皮膚が弱い子の場合は、拭いた後に犬用の保湿ローションやスプレーで潤いを補ってあげましょう。
このひと手間が、肌のバリア機能を正常に保ち、外部からの刺激に負けない強い皮膚を育むことに繋がります。「汚れを落とす」だけでなく「潤いを守る」ことまで考えて、日々のケアを完成させましょう。
💡 この記事のまとめ
敏感肌の愛犬のためのケアは、製品選びと使い方の両輪が揃って初めて効果を発揮します。刺激の少ない製品を選び、肌を傷つけないように優しく拭き、そして保湿で仕上げる。この3ステップを習慣にすることで、愛犬を辛い肌トラブルから守ってあげることができます。
愛犬の肌の状態をよく観察しながら、その子に合った最適なケアを見つけていきましょう。
この記事は役に立ちましたか?