UZUZ Magazine #1420
なぜ?に答える栄養学。ドッグランと「トリプトファン」の科学的な関係
「トリプトファンが良いらしい」という話は聞くけれど、具体的に愛犬の体の中で何が起きているのでしょうか?
この記事では、少し踏み込んで、栄養学的な視点から「トリプトファン」がドッグラン前後の愛犬の心身にどう作用するのかを、分かりやすく解説します。愛犬の健康管理に役立つ知識を深めましょう。
Point 01
必須アミノ酸「トリプトファン」の体内での旅
トリプトファンは、食事から摂取されると、血液脳関門という脳のバリアを通過できる数少ないアミノ酸の一つです。
脳内に入ったトリプトファンは、ビタミンB6などの助けを借りて、神経伝達物質である「セロトニン」へと変換されます。
このプロセスが、愛犬の気分の安定に深く関わっているのです。
Point 02
昼は「セロトニン」、夜は「メラトニン」という二つの顔
トリプトファンの働きは日中だけではありません。日中に作られたセロトニンは、日が沈んで暗くなると、松果体という場所で「メラトニン」に変換されます。
セロトニンが精神の安定や衝動性のコントロールをサポートするのに対し、メラトニンは体内時計を整え、自然な休息を促します。
このように、トリプトファンは24時間を通して愛犬の心身のバランスを支える重要な役割を担っています。
Point 03
ドッグランという「刺激」と栄養のバランス
ドッグランのような、他の犬や知らない人、広い場所といった多くの刺激に満ちた環境は、愛犬にとって非常にエキサイティングです。
このような非日常の状況では、心のバランスを保つためにセロトニンが通常より多く消費されると考えられています。
だからこそ、その材料となるトリプトファンを日頃から食事でしっかりと補い、心の回復力を支えてあげることが大切なのです。
💡 この記事のまとめ
愛犬の行動の裏には、栄養状態が関係していることがあります。トリプトファンのような特定の栄養素の役割を理解することは、愛犬のQOL(生活の質)を高めるヒントになります。
本記事で紹介した内容は、愛犬の健康維持を目的としたものであり、医薬品ではありません。症状の改善や治療については、必ずお近くの獣医師にご相談ください。
この記事は役に立ちましたか?